CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
PROFILE
NEW ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
OTHERS
MOBILE
qrcode
 
バルセロナで日本語の礼拝に参列したい、聖書を読んでみたい、と思う方々への案内用ブログです。プロテスタントとカトリックの合同集会ですが、洗礼を受けているか否かに関わらず、聖書に興味をもたれる方ならどなたでも歓迎します。なお、統一教会やエホバの証人など、いわゆる異端といわれる宗派とは一切関係ありません。
<< ふたつの足跡 | main | 愛の力 (ジョーク) >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
決断のとき
 

宮殿には規則がある。たとえば、悲しみの装束を着けた格好では門の中に入ってはいけない。また、王にいつでも近づけるのは側近だけで、他の者は王妃を含む全員、許可があるまで近づいてはならない。もし近づいたら謀反と見なされて殺される。など。他にもたくさんの決まりがあったに違いない。王宮に出入りしていたモルデカイも勿論これらの規則は知っていた。

 

にもかかわらず、裂かれた衣服と粗布をまとい、頭から灰を被った悲しみの装束で彼は王宮まで来た。事態を打開するには娘であり王妃であるエステル以外に頼れる人がない。しかし彼は門の中に入れず、またエステルから送られた服にも着替えない。彼は徹底したユダヤ人だから、ペルシア全土のユダヤ人と同じ姿勢を貫き、王妃の親の特権を行使して自分だけ綺麗な服を着、王宮に入るようなことは考えられない。その上、モルデカイとエステルの関係はまだ王に伏せてあった。彼は中に入れないまま宦官にエステルへの言伝(続編48節)を託した。


 

ニュースを受け取り、自分に果された使命を聞かされてエステルは卒倒するほど驚き、「私も王に許可がないと近づけない立場にあるのに、ここ30日お召しがないのです」と言い訳をする。あれほど王が惚れ込んだエステルに1ヶ月もお呼びがかからないとはどういうことか。推測するために年表を開いてみたところ、クセルクセス王はこの頃、父王が果せなかったギリシア征服をもくろんでの第2次ギリシア遠征に相当苦心していた。480年のサラミスの海戦ではギリシアの優れた軍船により敗退し、479年のプラタイヤの陸戦では、ペルシアは大量傭兵による強力かつ統制なき軍団で、地の利の不利な場所での不意を突かれたギリシア軍の戦略敢行によって総崩れ惨敗した。その後、自信を得たギリシアはアテネ黄金期を迎え、ペルシアはギリシア軍に反撃されたまま、長期間、戦時体制が続いていたのである。

 


つまり、戦況が最悪の状態を迎えて、王は大変苛立った状態にあったことが想像される。夜も眠れなかっただろう。その状態の王に勅書をくつがえすようお願いするなど、とてもエステルには考えられない。自分がユダヤ民族であることも明かさねばならない。一体この短気な王はどう反応するだろか。事態が改善されるまで、もうしばらく待ってもらえたら何とか手も打てるかもしれないが、ユダヤ人側にも残された時間はない。モルデカイは「あなたが王妃になったのは、このときのためではなかったのか。」と次の伝言を伝える。エステルはわが身の立場を思い知った。自分にはとうていできる業とは思えない。しかし、自分以外にこの事態に立ち向かえる人はいない。もはや選択の道はない。

 

「スサの全てのユダヤ人を集めて私のために33晩、断食の祈りをささげてください。それから王のもとに行きましょう。

このために死ななければらないのでしたら、死ぬ覚悟でおります」 エステルはそう言って自室に入り、憂いと悲しみの衣をまとって灰をかぶった。続編にあるモルデカイとエステルのそれぞれの祈りは、神の助けのみを求める切実な祈りである。


 
実社会の中で、私たちも時折エステルのような立場に立つ経験をする。自分には負いきれない荷を負わされて大いに困惑するが、周囲を見渡しても自分以外に誰も適任者がいない。重責と孤独感にさいなまれ、失敗するかもしれないという予感に悩まされながら切実に神に祈るとき、私たちの心はこれまでになく神に直結しているのではないだろうか。そして神はそのような祈りを必ず聞いてくださる。

10月12日 バルセロナ日本語で聖書を読む会の学びより

全ての人に力を及ぼされる神よ、

希望を失ったものの声に耳を傾け

われらを悪人の手から救い

わたしを恐れから解き放ってください。

旧約続編エステル記 C エステルの祈り

| エステル記の学び | 03:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 03:19 | - | - |









SPONSORED LINKS